正式名称は『肩関節周囲炎』といいます。つまり肩関節の周囲の炎症により痛みが出て肩を動かす時に痛いというのと夜間に痛くなるというのが主な症状です。
病期は症状の推移から三期に分けられます。
急性期には運動制限を引き起こす運動時痛に加えて安静時痛や夜間痛が出現し、徐々に関節拘縮が現れて肩の可動域が制限されます。
慢性期には徐々に痛みが軽減し日常生活でも肩をかばう必要がなくなるが、可動域制限はのこります。
回復期には可動域制限がまだ残るものの、痛みが少ないために大きな機能障害の自覚はなくなり徐々に可動域が自然回復します。何も治療をしなくてもだいたい1年前後で治癒します。なるべく早くに治すには安静と自然治癒力に任せるだけでなく、積極的に痛みと可動域制限を改善する治療が必要であります。
だいたい当院にみえる方は急性期の痛みに我慢ができずに来院されます。
まず痛みが長引くときは腱板断裂を疑います。四十肩・五十肩と腱板断裂では痛みの現れ方が違います。
四十肩・五十肩では腕を上げる途中に痛みがなく『これ以上は挙がらない』という動きの最後の時点で痛みが起こることが多いです。
腱板断裂では腕を挙げる途中に痛みが起こることが多いです。もし、わからなければ整形外科にて診断をしていただくとありがたいです。
とにかく早めに治療にかかるのが早期治癒への近道です。
つまり急性期に治療するのが1番です。他の炎症性疾患とは違い、四十肩・五十肩の炎症による痛み(夜間痛)には鍼治療は有効であります。
普通なら炎症による痛みは冷やして落ち着いてから治療を開始するのですが、そこまで待っていてはどんどん腕が挙がらなくなり、肩関節に石灰が沈着してしまうと鍼灸では難しくなってしまうからです。
肩関節や肩甲骨・上腕の筋肉をマッサージでほぐしながら腕を挙げていきます。
痛くても可動域を広げるために挙げていき痛む場所で鍼治療を行います。こうして腕の可動域と痛みの治療を同時に行います。
お家でも肩を温めつつ腕を挙げてもらうリハビリを行っていただきます。
鍼治療を併用しないとなかなか難しく、特に夜間痛に関しては鍼でないとなかなか止まりませんのでご了承ください。
※肩関節が出るような服装でお願いいたします。
※治療院での治療も大事ですがお家でのリハビリもとても大事なのでよろしくお願いいたします。